桜も各地で満開になり、スギ花粉ももう終わりかなぁ~といった感じ。
だから昨日やっとコートを脱いで通勤した。
普段最寄り駅までカブで通勤してるので、徒歩通勤の人より
アウター1枚分重装備なのだ。
脱いだついでにジャケットの下に着ていた梳毛のウールセーターも脱いださ!
歳を取ったせいか基礎代謝も減り、身体自体が燃焼しなくなり、
余計寒がりになった気がする。だからなかなかその踏ん切りがつかない。
でも流石に昼間は20度超えのこの陽気・・
冬物を着ていること自体が野暮だ。粋ではないというもの。
昨日はコートを脱いだせいでもないが、新宿駅でコートにマフラーを巻いている
女性を見て、さすがにそれはねぇ~よ・・と思った。
本来、季節感を大事にする・・というか、悪く言えば、それに支配されて生活している日本人。
衣・食・住 全てにそんな考え方、傾向が伺える。
習慣、行事、祭、暦、なり(いでたち)、俳句、手紙の文頭の挨拶・・ 日本人にとってそれらは全て季節にリンクしているからね。
ワシの業界に関係するもので代表的なものコトと言えば、6月と10月の衣替えというファジーな日本人にしては考えられないデジタルな習慣がある。
人事・総務の担当者や学校の先生たちまで 異口同音に言うのだ・・
『6月1日/10月1日 から着るから納期よろしく!』・・・というセリフには
ユニフォームの仕事に関わっていると、いつもプレッシャーとストレスを感じざるを得ない。
多分季節がしっかりとスライドの様に変わる日本の風土や逆にもやが立ち込め、はっきりしない時期(季節)だからこそしっかりケジメをつけたいという精神的な面が理由にあるとは思うが、実に刹那的で極端な気がする。
明日から全員上着脱ぐ、半袖じゃなきゃダメみたいな・・・
個人主義の海外からは到底理解されないと思うわけである。
君は知っているか・・?!!
そもそも一斉に行われる『衣替え』という習慣は欧米にはない。言葉すらない!
ワシ調べたんだよ昔。
有るのは単なる 着替え だよ・・・キガエ! ワハハ。
奴らはその日の気候・天候で着るべき服をワードローブ(タンス)の中からチョイスする。それが合理性が好きな欧米人の常識さ。
昔、日産のルマンチームのピットウェアを手掛けたことがあったが、メインのスタッフはトムウォーキングショウ率いるTWR。そのアイテム数の多さにびっくりしたものだ。防寒コートから半パン/Tシャツまで20アイテムくらいのバリエーションがあり、思わず6月のいい陽気になんで中綿入りのヘヴィな防寒コートなんて要るんすか? とニスモのスタッフに聞いたのだが、フランス中央部の6月の気候は1年間の気候が24時間存在する!と豪語するので、まさかね? と思っていたが、いざ行ってみると
朝は6月だというのに息が白くなるような5~6℃で、昼間はポロシャツ1枚で丁度良い25度以上にもになるし冷たい雨もられる経験をした。
だから良質のブドウが獲れ、おいしいワインができるというわけだ。
だから日本みたいな概念が生まれないのも当然なのかもしれない。
そういう意味では、昔から・・・日本に来た、特にアメリカ人ツーリストの格好が変テコなのが気になっていた人は多いはず。
なんで真冬にTシャツにダウンベストにバミューダパンツ?
真夏に革ジャン着てんだ?
最初はみんなカルフォルニアから来ているんだとばかり思っていたわ・・爆
アメリカに留学した友人が(実はコイツも季節感が無い野郎だったが・・)が、
朝起きて今日は寒いから・・と言って初夏にツィードジャケット着てくる奴がいるし、天気が良いからといって冬にTシャツ短パンで登校してくるバカが普通にいるんだよ・・
ある種合理的な人種なんだと思う。
アメリカでは普通だが、日本では泉谷茂しげるも歌っているように
季節の無い人ということで、マイナス傾向に扱われる。
欧米ではTPOという言葉がよく使われる。時間帯/場所/場合
トラディショナルスタイルでも頻繁に使われる合言葉の様なワードだ。
時間はあっても季節は無い。ま、強いて言えば、場合に季節が入るかもしれないが
彼等のいう場合や機会とは、カジュアルORフォーマル とか オープンORクローズと に近い。そして、アクセサリーの色やスタイルのディテールなどねばならない式の着方や約束、様式・コーディネーションの話だったりするが、
和装にだってある同じようなお約束事とはちょっと違う感じがする。
旬という言葉がいまいち英語にうまく訳せないようにね・・
うまく表現できないが、TPOは理屈で成り立っており、
日本のそれは理屈じゃない自然と一体化した観念や哲学的なものもに帰結している
様な気がするのです。
季語を入れて読む俳句や祝い事の挨拶の枕言葉みたいなソレに代表される。
おそらく季節の先取り・・という言葉も欧米にはないかもしれない。
鳴いてもいない鳥や天気悪いのに春うららかな今日の門出に・・なって言ったりしている日本人はリアリストの外国人には理解できないはずだもの。
我が国は衣替えという習慣があり 着方だけじゃなく 生活自体を観念として季節変わりさせ、終わった季節の物は押し入れに、季節外れの物として収納されているので雪でも降らない限りわざわざ出すことはしないだろう。
タンスの中に冬物と夏物が混在している様は、それこそ野暮で季節感がない、無粋な人だ・・だらしのない人だと言われてしまうわけだ。
でも最近はそんな風潮が徐々に変化し、一部のスクールユニフォームには、学校側が
生徒に判断でその日の体調に合わせて、冬服・合服・夏服を自由にコーディネーションして通学しても良いという所も増えつつある。
前段が長くなってるが・・・・
コートを脱いで仕事に出た話だけど、もう少しお付き合いください。
以前のようにファッションアパレルの仕事をしていた時は、季節や旬の先取りではないが、仕事上どうしてもショップのフェイシングや品揃えに合わせて、残暑の9月1日から冬ものを着て汗をかいたり、冬のバーゲンが終わったまだ寒い2月中旬から春物を着て、ガタガタ震えていたものだが、
今は関係ないので、歳だしそんなアホなことはせず、体調に合わせ それこそその日の天候や気候に合わせ、着るべき服を選んでいる。
しかし・・しかしだ!
日本的な季節感を大切にする素晴らしい習慣・美徳は捨てたくはいない。
だって四季折々で見事に変化する我が国土に住んでいる日本人だもの・・
合理的な洋服を日本人の心で着こなしたっていいじゃない?
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前段、やっとここで終わり。笑
そこでサマーニットのお話です。
実はサマーニットは高温多湿の日本では夏は着るべきアイテムではありません。
あれは湿気のない北半球の欧米地域の環境において 夏に着るのが丁度良いアイテム。
これを読んでいる方・・・
海外・特に米国ブランド、アウトドア系、トラッド系、スポーツカジュアル系・・
のアウトレット店で、いい感じの厚手のセーターだなぁ~と思って、
思わず手に取ったら、COTTN100%!
あれれ? どれもこれも COTTN100%だよ~~! なんて経験したことありませんか~?
欧米では綿100%の厚手のニットは想像以上に需要が有るのですよ、湿度低いからね。
その良い例が、あのクリケットやテニスで着用されてきたクラシカルなローゲージの通称チルデンニットのベストやセーター・・
これは元来COTTON 100%が本式なのですが、なぜか?それは、体操着だし冬はシーズンオフだから・・・笑 冬はサッカーやラグビーだもの。
日本では、セーターだからという理由で拘らないブランドなどでは、結構ウール系の編み糸で製品化されることが多く、制服のスクールセーターなんか全てウール系。
ワシも冬にPコートの下にチルデンセーターを着たくて、それでそれなりのブランドを扱っているセレクトショップや海外ブランドのショップで探したことあったけど、ことごとく有るのは綿100% 当然ウールのチルデンニットなんて品揃えしてないわけです。
ウールの浴衣が無いのと同じだわな・・笑
でも温暖化が厳しい日本では、そんなローゲージニットを普段着れるのは、せいぜいヤマセの酷い三陸地方か北海道と山間の高原リゾートだけ・・
だから契約通り欧米のMDをそのまま売り場で展開しても、日本では全く売れず、倉庫にゴッチャリ余るのよね・・・。それでアウトレットやファミリーセールに回って来てしこたま売られてるわけね・・・
だから・・・
5月にもなれば 30度になる昨今の日本、厚手のオサレなサマーニットを着るなら、それこそ花冷えがある3末~4月中の今のシーズンしかないのです!
今日はちょっと寒いなぁ~、雨も降るようだし・・と言って
仕舞いかけたラムウールやキャシュウールの梳毛セーターをまた引っ張りだして着るような野暮な事しないで、サーマーニットをコトンシャツジャケットやパーカの下にレーヤードして
2017 SPRING/SUMMER シーズンを楽しみましょう!
今日は、自分で作った(設計)したネイビーの厚手のコットンギャバのアンコンジャケットに・・・・
中に着ているサマーセーターは・・もう20年着ている
HACKETTの7Gの丸首COTTONケーブルニット
これで10度を下回る夜でも十分暖かいのだ。
最近人気のケーブルセーターやチルデンニット・・
着るなら・・今だよ・・。