すっかり朝晩が冷える季節になり、公園や校庭などでは、銀杏の実がそこら中でウ〇コの様な臭いを漂わせている。
ガキのころなど、誤ってそれを踏んづけようものなら、教室や下駄箱で仲間からたちまち ウ〇コ踏んじまった奴!と血祭りにされてしまったこの季節、
今週の月曜日からクールビズも終わり、職場ではネクタイ着用になった。
昨日は朝から冷たい雨が降っていたので・・・・
自宅からカッパを着てリトルカブに乗り、いつもの駐輪場で降りて、傘をさして歩き始めた時、しまった・・・!と思った。
カッパを着ていたから、寒さを感じなかったが、オックスのBDシャツとポリエステルのアンコンジャケットだけじゃ かなり寒いことに気が付く。
そのままビックサイトの展示会に直行し、仕事場に帰る途中、慌てて新宿のユニクロに駆け込み、思わずクルーネックのセーターを買った。
そう、日本中の高校生が着ているあの定番(ウール70%/ナイロン30%)のラムウールブレンドのカーディガンにクルーネック/Vネックのバリエーションで売っているあのニットだ。嬉しいことに期間限定価格で¥1990だった。
通常レディスのオフィスユニフォームやスクールユニフォームのニットの混率はその逆でウール30%/ナイロン&アクリルゆ70%である。当然化繊リッチなので、長持ちするが、脱ぐときはパチパチ静電気が起きる場合が多いし、ピリング(毛玉)が起きる。品質の良い精錬されたウール100%のニットは毛玉は起きにくいもんだ。
だから毛玉をたけたセーターは貧乏人の象徴でもある・・・笑
一般のまぁまぁ有名なアッパーボリュームブランドのセーターは、せいぜいナイロンの混率は5%、軟なウールで(ラムやカシミア)入れても10%といった所だ。しかるに、ユニクロのその辺の微妙な混率に価格と品質の戦略が見え隠れする。
当然高級ブランドならウール100%が当たり前だが、ハイゲージ(編地が細かく毛糸が細い)ニットだと、一週間に1回の頻度で着用ても2シーズンで終わりだろう・・・毎日着たら、一か月でおしまいだ。
その点ツィードジャケットの記事でも触れたが、スコットランド地方のシェトランド島が産地の比較的丈夫で笠高感(膨らみ)のある安価な羊毛で作った、もともと庶民向けの暖かいセーター(シェトランドセーター)がある。
トラッド親爺やIVY小僧のF/Wの定番・必須アイテムだよね・・・
ガキの時分は三峰や高久、イセヤでOEMブランドで¥3,980の正札が付いてて皆買ったもんだ。 バブル後の90年代、ブルックスブラザースでさえDBシャツと同じ¥8900くらいの価格設定だったはず。要は、一番安い価格設定が可能なアイテムだった。
実は、あれこれ10年以上前から、そのシェトランドウールの素朴なセーターを探し続けて来た。手持ちのシェトランドニットが流石に20年、30年経って、ことごとく駄目になったからだ。
ところが、MやTなどの安いメンズショップには、全く置いておらず、セレクトショップでも3年くらい前まで、全く展開されていなかった。あの伊勢丹メンズでさえ・・・。
一昨年ジャーナルスタンダードで見て、去年やっとSHIPSで見かけた。
しかし、その値段たるや・・・1万円台後半・・・
ブランド物でも比較的安価に手に入る温かいセーターの代名詞だったシェトランドセーターが・・・・!
これは今年のあるセレクトショップ系のシェトランドセーターらしいが、編地をシュランク(毛羽立たせ)ていて、高級感を出したのか? 何だか、意味解からんよ。
レディス向けのフェミニンなモヘアのニットじゃあるめーし・・・。
そもそもシェトランドセーターは島の農民が野良仕事に着てたものがルーツで
その後、英国の支配階級がハンティングやスポーツの際に着た、カジュアルな普段着なんだから・・・。
マニッシュに凛とした着方をしたいものであります。
何でそんなに高いのか?知り合いのその筋の社長に聞いたら、世の中の高級志向で、チープで安物のシェトランドウールの需要が減り生産量も少なくなってしまった為、逆に調達が困難になり、糸値が高騰して、今のような値段になっている・・・ということだった。
もともとそこら中に転がっていたおっさんヘルメットの昭栄のJ-FORCE IIがアニメだか漫画の人気で中古でも 海外で十何万で取引され、急騰・・的な感じ?
例えが違うな・・爆
なるほど、道理で何故安売りのユニクロがシェトランドウールを扱わないのか?
という謎が解けた気がした。
要するに、限られた地域限定の羊からしか取れない羊毛は、大量発注が困難だし、いくらユニクロでも、産地の生産者や生産体制まで動かすリスクは負えないという事・・・。それなら、ふんだんに調達可能なオーストラリアやニュージーランドのメリノ種やラムなどの原毛を牧場丸ごと買収契約し、安く調達した物を中国に送り込んで、シェトランドニットのように度詰め(編み糸の密度を多くして質量を増やすこと)しないフィニッシュで羊毛の膨らみ感を演出し、結果暖かくて且つ糸量の少ない、コストが安いニットを売って儲ける・・・方がよっぽどリスクも低くておいしい・・・・。 という事なのね・・・
そこで、前々からチェックしていたユニクロのラムウールのセーターにしてはパッと見シェトランドっぽく見えるし、トップ染めのミックス調のカラーが、今年からまともな色出しになってきたので、ブルー系のクルーネックのセーターを買った。
どうよ・・・シェトランド風の起毛具合・・・
毛玉にならなきゃ良いが・・・・¥1990だからな・・笑
本当はVネックのカラーバリエーションにしかないもう少し淡いブルー系(前出の画像のセーター風の色相)の方が良かったが、クルーネックにはその色が無く、微妙に黄色っぽいのしかなかった。
でも、シェトランドセーターはクルー!という自分の拘りがあるので、この色で我慢である。
今日も寒いから着てきたさ・・・
ここでやっと最初のクールビス終了の話に繋がるのよ・・。
クルーネックのセーターを着た時にネクタイはどう折り合いをつけて
着方を始末するか・・・?
その答えは・・・・・
こうするのさ・・・。
プレーンノットで結び、結び目は長めに小さく、しっかり小剣を引き締めて結び目を前に立てて付出し、大剣と小剣をまとめてクルーネックのセーターのリブの上にS字に湾曲させて乗せるのです。
この場合、シャツの寸法が首回りとぴったり合っていないとできません。
衿がブカブカじゃないと気になって嫌だ、ネクタイ緩くないと苦しい・・・とか戯けた事を言ってる お洒落じゃない奴には必要ない話!
そういう人は迷わずおっさん臭いVネックか、爺の定番のデカめのカーディガンにおにぎりみたいなウインザノットのネクタイを締めて野暮ったく生きましょう!
事務用の黒い袖カバーがお似合いかもね! 爆
20代~30代の粋がって尖がってたころ、トラッド系のアパレルの社員やメンズショップの立ちんぼ(販売員)は秋物シーズンに入ると、皆こんな感じのVゾーンになってたっけ・・・。
要は業界特有の着こなし・・お客さん(素人)でこういう着方してる人は
まずいなかった。
こういう感じで通勤してるのは、間違いなく、流通(デパート)関係かアパレル・服飾小売りの野郎と相場が決まっていた。
最近のショップのオニーちゃん達は、どうなのかね・・。
10数年前のクラシコスーツが流行始めたころ、やたらにネクタイのノットが甘くてデカいのが銀座・神宮前あたりのショップで流行った。
そういうネクタイの締め方してる立ちんぼには、お客さんが勘違いするから
すぐに止めれ!と思っていた。案の定2シーズンくらいでそんなダサいトレンドは
すっ飛んだ。
今こんな着方してネクタイをキリリと小さく締めてるおじさんは昔のトラッドおじさんだけかもしれんね・・。
あ、そうそう・・・これって気が付くといつの間にか、ネクタイがセーターの中にストン!と落ちてるから、マメに襟に引っ掛けないと駄目よ!
かといって、大きくS字に曲げてベロン!と7~8cm出して引っ掛けるのはもっと
野暮ってもんです。
それでは、みなさん ご機嫌よう!