体調を崩し、入院していた父親の具合が何とか入院していなくても良い状態に
なったということで昨日、無事退院させた。
しかし24日間の入院で体力も落ち、杖を突いて歩行するのがやっと・・という感じで入院前のように2階にある自分の部屋に階段を登って行き来できる状態からは程遠い。
これは大々的な実家の構造改革をせねばなるまいな・・・と思ってしまった。
1階のリビングにベットを持ち込み、2階の親父の物を降ろし、実質上リビングは無しとするワシのプランに親父は、それじゃお客さんを迎える部屋が無くなるしソファとサイドボードは処分したくない!リビングはこのままで、隣のタンスがある6畳にベッドを二つ入れて、かあさんと寝ると、反対した。
こんな状態の主がいる家には誰も気を使って客など来ないし、第一6畳間にベッド2なんて入らんよ・・!
と言ってなだめて帰ってきた。 あれだけ自作の模型飛行機の設計図面を引いてた、親父も、歳をとると物事の空間的認識力も衰えてしまうものなんだな・・と思った。
残念だが、もう13年で1万キロしか走ってないプリメーラも運転させないことにしよう・・・。
ところで、先週の初め、岩本町の取引先に行った帰りいつもの中古カメラ屋に寄ったら外観がよろしいブラックボディのNikomat Ftnが棚の上に転がっていた。正札が付いていなかったが、周辺のNikomat EL とかNikon F2やF3、および他メーカーのジャンクには¥3000~¥7000の正札が付いていたので、そのくらいなら今の懐事情でも買えると判断し、
これ状態はどうなの? いくらで売る気? と聞いたら、
あ~それは、知り合いのコレクターさんのところから昨日入ってきたばかりの奴で
動作も大丈夫ですよ。ゴーゴーでいいです・・・。なんて言うもんだから、
じゃ、それ貰い!と言ってレシートも貰わず、ついつい動作確認もろくにせず、衝動買いをしてしまった。
本当はのアイレベルファインダーのNikon Fを探していたのだが、中学一年の頃から欲しかったカメラだから、これもまた何かの縁だな・・・なんてね。
そのまま、秋葉原で一回り大きい当時の水銀釦電池のソケットに今の釦電池(SR43
)を装填するために使う、削りだし加工の¥2600もするアダプターとSR43を買い、プラグの接触不良を起して次女から修理依頼が来ているオーディオテクニカのヘッドセット用の双線の同軸ケーブル2mを購入し帰宅した。
リビングで早速SR43にアダプターを嚙ませてNikomat FT後期型に装填すると、TTLメーターの針が振れないどころか、ファインダー内下のシャッタースピード表示が、Nikomat特有のレンズ接合部に付いているシャッターダイヤルを廻しても連動せず、B~1/8辺りを表示したままで一向に埒が開かない。
もしかしたら、これってババ掴まされたかぁ・・・?
頭にきて、翌日再び店を訪れて、事情を説明すると、悪びれもせずあ~・・壊れてた?確かに、昨日動作はするよ・・・と言ったから、じゃ 無料で治させますよ・・・うちは返品は受けないから・・・
でも電子シャッターのELとは違ってNikomat FTは直るから・・・という。
直させますよ・・・・? 直しますよじゃねぇ~の?
どうやら仕入先のカメラを分解できるマニヤに治させるようだ・・・・。
果たして、あの故障直るのかな? ちと不安だ。
その場で今度は修理依頼伝票にちゃんと記入し、控えを受け取って、ついでに我が家の銀塩一眼(Photomic FTN、EM、GFの修理に使う2mm厚のモルトプレーンも購入して帰ってきた。
昨日は朝から親父の退院のヘルプだったので、夕方から娘から依頼されてたHEAD PHONEのMINI STEREOジャック不良の修理とモルトプレーンの補修を行った。
まずは楽なモルトプレーンの補修から・・・
Nikon Photomic FTN、EM(モードラ付き)、 FGの3台
いずれもこの前(去年)フィルムケースカバーの受け溝のモルとプレーンの交換をしたもの達。
今回は何処の修理かというと・・・・
Nikon Photomic FTN
製造以来50~40年近く経っているので・・・・
Nikon EM
フォーカルプレーンシャッターのミラーが上に跳ね上がった時に当たる、フォーカシングマットの前にある枠の部分のモルトプレーンが劣化しているのだ!
手でミラーを上げてみて・・・・ミラープレートが当たっても、ソフトタッチ!
これで安心!
このままズボラしてると、ミラーに横一文字に筋傷が付いてしまうからね・・
三つすべて同じ部分をリペアやってから・・・
今度は、フォーカシングマットやTTLファインダー部分、すべてが外れてしまうNikon F のボディ側ファインダーレンズ近くの接合部のパッキンもヘタっており、フォトミックファインダーの取り付けにガタが発生していたのでそこも交換。
同じように裁断して・・・
たいした作業じゃないのよ・・・・・
ただ、こういうのは、何かブラックボックスみたいで、素人が手を出しちゃいけない領域だと皆が勝手にそう思っているだけの話さ・・・。
こんな修理、小学生だって、理屈が解かればできる内容で有ります。
これでNikomat FTをお迎えする支度もできて、再び銀塩カメラにカムバックする下準備が整った。
そうです。何かデジカメは便利で楽だけど、再びあの時代にタイムスリップして白黒の写真なんかを撮ってみたい気分な今日この頃なんです!
カメラの修理が終わったら、次女Hからの発注があった大好きな『嵐』を聞くために買ったAudio Techinacaのヘッドセットの修理。
実は3週間前預かった代物。
ステレオミニピンジャックのリード線の根元がどうやら断線しているらしく、切れたり繋がったりの症状だった。そんなの家に転がってるステレオミニジャックの付いたイアーホンのジャックをちぎって付ければすぐ直ると考えて、壊れたミニジャックをカッターで切って、リード線を剥いてみて驚いた。
テスターを当ててみても導通テスターが反応せず、どれがリード線でどれが保護の繊維か、一見判らない。 この誰が見ても一見銅色の線は実はすべてが金属ではなく、タダの化学繊維で、そのなかの僅か1本が金属線なのだ。
上に写っているのは、ヘッドホンのスピーカーから外したRの(+):銅色とアースのカッパーのメッシュ線(-)と 奥がLのグリーン(+)とアースのカッパーのメッシュ線(-)・・・・よく判らん。
これが胸の位置で1本にまとまって、Y字型のリード線になっており、その先にSTEREOミニジャックが付いている。
R/Lのそれぞれの(+)用のツインコアの同軸ケーブルの細いのを使えば良いのに、何でこん使っているのか・・・?
それぞれRとLで違う信号がもたらす電磁波が交互に干渉しないように、関係ない繊維質(もしかしたら電磁波シールド繊維?)を巻いているのだろうか・・・?
メーカーの技術者が拘って吟味している同軸ケーブルなのだから仕方がない。
昔、高いイアホンのリード線を剥いた時もこのように歪みを防ぐ目的なのか
やたらに関係ない保護繊維質で覆われていたが、こういうのは正直修理の時は煩わしいだけだ。
第一、半田が使えないじゃないか! それに万が一導通のある金属線を探り当てても、導線が細すぎて半田付けしてもすぐに切れてしまうこと必至。
この高級リード線は、他の繊維で強度を確保し、その中を螺旋状にメタル線が巻かれてあり、曲げたり伸ばしたりに対する堅牢性を確保しているのだろう・・・
そんな事、百も承知だが、理屈で解ってても、修理し難いのはワシとしては
全然アウだよ! だいたい堅牢性の確保のための工夫の末が断線してたら世話がない!
という訳で、今日もシコシコ自分流の修理なのだ!
これが次女Hのヘッドセット。 audio techinica ATH-ES500
ワシは同時録音やスタジオ作業以外、音楽を聴くことに関してはヘッドセットにほとんど興味がない。
でも学生の自分は放送研究会でラジオドラマの制作や、ミキサーとターンテーブルなどを毎日使っていたので、ヘッドセットは常に欠かせない道具だった。
でも基本的に好きじゃない。
何でだろう・・・やっぱりSPから一旦ある程度の空間空気の振動となって音が鼓膜に伝わって来る距離感が欲しいと思ってしまう。頭の中で音が空中戦を繰り返すヘッドセットのイメージには馴染めない。
でもこんな購入価格が¥10,000くらいのヘッドセットでも40年前に較べたら相当音質は良くなってると思った。STAXのコンデンサーSPのヘッドホンとか高かったよね~・・!
さて、今回の修理の計画は、切れたリード線はヘッドセット内のSPから全て外して、
途中から対照的にL/Rに分岐した方式をリード線の都合からやめて、ツインコアの丈夫で太めのツインコアの同軸をまずRのイアパッド内に入れて、そこからL(-)のアース線とLの(+)をヘッドブリッジ内を通して反対側のイアパッドに入れ込むという作戦である。
70年代のヘッドセットは、皆そういう設計だった。伸びたり角度が変えられる両方のイアパッド部にはそれぞれのSPの2本のリード線が可動する分、弛んで左右に露出していたものだ。 ワシはそういう機械的な佇まいが好きなので、最初から、そうするから・・・と次女Hには告げていた。
今時のデザインは、何かシンプルすぎて面白みにかけることがある。
だから最近レトロでプアなビニールのイヤーパフが付いている安っぽいSONYのヘッドセットが若者の中で流行っているみたいだが、アレは音も付け心地の昔のイメージのトラウマで音が悪そうでワシは嫌!
70年当時、あんなの頭に付けてたらバカにされたもんだ。
今のアレ・・・・。見てくれだけで、実は音は凄く良いのかな・・・?
そんなこともあるめぇ~。
でもやっぱり買うならSTAXのコンデンサーSPのヘッドセットがおじさんは欲しい。買わないけど、くれるなら貰っても良いなと思う。
修理は0時から真夜中の3時までかかってやっと完成した。
いつもながらかなり集中して困難極まる工作や修理の時は、我を忘れているので写真撮る暇がないので画像が無い。
完成したのがこれ!
今まで左のSPコードが出ていた左のホールはボルトをねじ込んで一応塞いだ。
右から入ったコードをブリッジ部分を通して左へ・・・
このフレームの間から+と-のコードを出すのが凄く大変だったのよね・・・・。
次女Hの希望でリード線の長さは修理前の長さと同じ1.2M。
何故なら、ⅰPODで聴くから長いのは邪魔だそうだ。
わしの場合はアンプに繋いで、椅子に座ったり、ベッドに横になって聴きたいのでたった1.2mはアンプのど真ん前の直近に座らなければならなくなり、すごく苦痛! 笑
でも、修理が上手くできたのかアンプのまん前に鎮座し試聴してみた。
文句なく良い音である。
70年代のダイナミックSPタイプでこんなに質の高いものは、なかなか無かったと思う。STAXのコンデンサーSPタイプでも音質は良かったが低音の響きは物足りなかったような印象がある。さすがaudio techinica ! ピックアップカートリッジが商売にならぬ今、必死で商品開発した結果の結晶だね! きっと必死だったんだろうな・・
特に管球式の38FDで聴くと、低音が全く歪まず、ダブ付きもせず、すこぶるよろしい。波動がブンブン伝わってくる。昔の印象の頭の中で空中戦が起きていない。
おそらく今の音源は当時と違ってMIXINGの技術もレコーディングの機材も数段いい物になっていて、セパレーションも良いのだろう・・・・てか・・・当時の音源はアナログだもんな・・・
今は24ビットのデジタル音源。
そういえば、CDをヘッドセットで聴いたのは初めてかも! 爆
朝リビングに居た次女Hに部屋に来させて、38FDに繋いで、何時もIPODで聴いている『嵐』の音源のCDを聞かせてみた。
凄い音だねぇ~~。音が澄んでいるのにいつも聴いてるのと低音の厚みがぜんぜん違う! と驚いていた。
そらIPODの小さなデジタルアンプに較べたら1960年代のアンプとはいえ、
100倍近い余裕とアナログ特有の緻密で芳醇な音だもの・・・・と
その言葉に調子に乗って15分ほど、アナログとデジタルの音声信号の違いをアニメの再生や分解写真の再生とナマの人間の動きに例えて、講釈を垂れたら、途中で飽きたような顔をされたので、ま、そういことだ!と終わりにしてやった。
最後に次女Hが、
まぁ、よく解んないけど、お父さん、ありがとう、また嵐が聴けてうれしい~!
と言ってくれた・・・・・・。 涙