小学生のごろ、浦和の別所2丁目~3丁目、高砂4丁目という都内の山の手ほどではないが、まぁ比較的裕福な家庭が住んでいる住宅街の高台から坂を下りたアパートや文化住宅がポツポツ建っていた地区の2DKの借家にワシは住んでいた。
今はそこに中浦和というJR埼京線の駅がある。
一応住所は別所だが、その後がいきなり番号のついた、街並みなんて無い
空き地が点在するいわゆる新地だった。
坂の上の別所~丁目の屋敷に住んでる友達はみんな学習塾やピアノ、絵、エレクトーンを習っており、お誕生会とかやってる奴等で、遊びに行くと、彼等の家には大概漆黒のフルサイズのスタンドピアノがあった。
そしてバイエルやソナチネなどの練習曲を貧乏人のワシに聞かせたものだ。
野球や、サッカーだって同じようにできて、プラモデルなんてワシの方が作るのも塗るのも上手いのに・・畜生!
悔しかったので、小3のワシは親父に訴えた。
『ピアノ習いたい!ピアノ欲しい!』
すると一か月くらい経ったある晩
ガットギターでよく三橋美智也を唸っていたオヤジが得意げにワシに言った。
明日の日曜日 来るぞ!
ワシは大喜びでそれを待ったが、
翌日届いた物は・・
SANYOのマークが付いた、ピアノより2回り以上小さい、赤いローズウッドのオルガンだった。
どうせなら究極にシンプルなオルガンならいいのに、変に豪華な家具調の品の無い何処かデコラティブな佇まいのそのオルガンに親父の無理した感が伺われ、子供ながらに何とも惨めだった。
考えてみれば、そんな文化住宅にピアノが来るわけもなく、
落胆したワシは、仕方なく坂の上の友達に教わった猫ふんじゃったを両親に弾いてみせたが、それ以来手も触れなかった。
そのオルガンを気まぐれに親父が湯の街エレジーなど唄いながら単音で弾いていたが、やがて千葉に引っ越す際に岩手の田舎の従妹の家に渡った。
従妹も迷惑だったろうに・・。
鍵盤の楽器にはそんなトラウマがある・・・・・・。
あれから時日は流れ・・・・
19年前、家を新築した時、引っ越しと同時にカミさんがYAMAHAのピアノを持ってきた。当然ピアノを置く場所は事前に大工さんに頼んで床を補強してもらっっていた。
当時2歳だった長女Aに将来ピアノをやらせようかと微かな希望もあった。
しかし、泥んこ遊びが好きな彼女は全くピアノに興味を示さずじまい・・・
その後生まれた次女Hはなかなか耳が良く、車の中で聞いていたGLEEの2枚のCDの殆どの曲をフェイクを効かせ、幼稚園前にまるでネイティブな発音でいつの間にか主旋律もハモリも歌えるようになり、これは・・・将来はミュージシャンだぜ!という期待もしたが、やはりピアノには興味を持たず、
普通の子と同じようにネコ踏んじゃったで終了した。
折角調律してもらったのに、誰も弾かないのは勿体無いと、一時ワシが弾いて遊んでいた時期もあったが、カミさんのブーイングでそれも終了し、そのフルサイズのスタンドピアノは、陽の目を見ることなく今でもリビングでBOSEのステレオ台になって余生を過ごしている。
血は争えない・・。笑
え? どかまんさんピアノ弾けるの・・・?
弾けませんよ・・・!
でも、ギターやってたから、左手でオクターブのベース2音、右手でCとかGとかFとかAmのコードの3音をちょっとメロディを交えてを弾いてただけ!
でも、ポピュラーソングなんて それでギターと同じ感じで唄えたよ!
IMAGINE、 LET IT BE、昔のフォーク!
あと、何故か 加山雄三の 海その愛 爆
んで今日の本題!
(ここからはできればSTEREO出力のまともなヘッドホン/イヤホン:iphonの付属レベル・・でお聞きくださいね。)
残念だったトラウマのオルガンだが、
その後成長するに伴れ、いいろんな音楽に触れ、とりわけ大好きな音を奏でる
気持ちの良い鍵盤楽器の音に出会った・・・。
その代表が、ハモンドオルガン
教会やホールにあるパイプオルガンの音を電子的に出せるようにした
電子オルガンだ。
ゴスペルソングには欠かせないオルガンですな。
YAMAHAのエレクトーンはコレのパクリだね。
この腹の中を通り抜けて行くような小気味よい空気のスクラッチ音は
たまりません。
この楽器がまた、ハードロックにフィットするのよね・・・。
井上堯之バンドの太陽に吠えろ!の テーマなんか誰でも知ってるはず。
ワシの好きな大野克夫のオルガンが効いてる
イントロからR chにリードギター、サイドギターとハモンドがR ch、ベースとリードのアルトサックスがセンターという録音ポジション。
特に0:58くらいからセンターのアルトサックスに代わって大野克夫のハモンドのソロが右からクローズアップされて入ってくるんだよね・・・
こういう楽しみ方って知ってました? こういうのに凝り始めるとスタジオのミキサーのセンスが気になり始めます。
スイングジャーナルの最優秀録音賞のアルバムは、そういう意味で素晴らしい
のです。
そして、大人になりバンドをやったり、海外アーティストのLIVEに行って生演奏を聞いたりするようになり、"Fender Rhodesという あのギターで有名な楽器メーカーの電子ピアノの音に出会うのだ!
いわゆるステレオ出力でパンで残響を左右に振れる仕組みが付いたエレピ。
ステレオで聞くとよ~く解るよ!
これを気持ち悪くならないちょうに、プレーヤーやミキサーが調節してレコーディングするんだよね!
これは、ただ聴いてるだけのオーディエンスだったら判らないが、バンドとして弾く方の立場で、セッティングしてて初めて出力が2系統あるステレオ出力なんだ!って知った事!だからミキサーの1ch/2chに入れてパン(音の定位の位置決めができるプリアンプのコントロールスイッチ)で左右に振ると綺麗に左右で
残響音が R/Lで交互に ワン・・・ワン・・・と響く訳。
ここで解りやすく解説されてますのでご覧ください。
これは新しい世代のローズだけど、れっきとした今の本物。
ボディ左側のR/Lそれぞれ2系統の出力コードが出てるのが解るかなぁ~~?
これクロスオーバーやJAZZフュージョンのキーボードプレーヤーは昔から
当たり前のように使ってるし、
彼らがだいたいスタジオミュージシャンを務めることが多いので、大抵の
ポピュラーソングにも使われてます。
これは、全編フェンダー・ローズの荒井由美の表的な曲だね。
彼女が弾いてるのか、当時の彼氏の松任谷正隆が弾いてるのは知らないけど・・・
この曲はトレモロの左右のサイクルを短めにセットしてあるのが解ります。
ワシはもう少しゆっくり目の方が好み。
この音をはっきりと自覚したのは1977年の秋、
NYのスタジオミュージシャン達で結成された、クロスオーバー系伝説のバンド 『Stuff』の初来日のライブでキーボードプレーヤーの今は亡き
リチャード・ティーの奏でる、"Fender Rhodes”の音を聴いてからかなぁ・・。
ここでStuffのアルバムで最初キーボードが Fender Rhodes で入って途中の1:50秒からハモンドオルガンにスイッチする所が楽しめる曲があるので紹介します。
エリックゲイルの引っ掛かるようなギターアンプのBASS-HI TRE-HIの高音圧の納豆のような粘りのピッキングギターから入るいかにもSuttfっぽい曲です。
終盤ハモンドからアナログピアノになりリチャード・ティーの真骨頂というべき鍵盤裁きにスティーブガッドのドラムがリンクして行き、得意の2人のアドリブのセッションでエンディング・・・。
あ~良いです・・・。御馳走さん。
リチャード・ティーが弾くフェンダー ローズが奏でる Stuffの大好きな曲 My Sweetness (1976) それではどうぞ・・・
もうこれはね・・、大学の放送研究会のDJ時代、イントロからカットギターが入り出すAメロの入り口の所で スタジオ内のナレーターにCEUを出して・・・・
はぁ~い・・キャンパス内のみんな ご機嫌いかがですかぁ~・・ 今日の特集は・・・最近デビューした・・ CMでもおなじみの・・・
なんて、話し始めるパターンの代表的なBGMとして随分使わせてもらったよね。
今でこそYAMAHA DX-7などのシンセサイザーでいくらでもプログラミンングされてて、誰でも簡単に出せる音だけどね!
これ!、みんな知ってるでしょ~!!
イントロから Fender Rhodes 全開しまくり!!