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Channel: MOTO GUZZI な おじさんの趣味とこだわりについて
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PENTAX 6×7 TTLファインダー露出計動作不良の修理

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イメージ 1
2017年の元旦は 昨年仕入れたPENTAX 67(画像左の黒い奴!・・右の二つは通常の35mmフィルムのペンタのSPFとSP)の修理で明けた。
毎度のことだが、年明けはいつも何かしらの修理をしているような気がする。

去年は何をしていたか忘れたけど・・ま、1年で一番、何物にも束縛されない時間だからねぇ~ 爆

今回の修理内容は・・
せっかく付いてきたTTLメーターが付いたファインダーのメーターが電池を入れても+側に行ったきりでレンズの絞りリングを操作しても全く動作しない・・・という症状。

ネットで検索すると、その症状の場合、レンズのマウント部についている絞りと連動する爪とリンクする受け側の爪のリングから伸びている極細のチェーンが何処かで引き千切れている事例が多い。また、中古のペンタの67の場合は逆にその部分が殆ど壊れてる場合が多く、注意しなければいけな故障だと複数の専門サイトに載っていた。

このまま勘を頼りに晴れならシャッタースピード1/250で露出8~11、曇りなら同じく露出5.6 夕方なら露出4~3.5 なんて昔の素人の感覚で撮っても良いのだろうが、せっかくTTLメーターが付いてるのならちゃんと機能させて撮りたいのは当然なので、問題箇所を開けてみることにした。


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元々このファインダーの下に出ている露出計の爪と・・・リンクするはずの・・・

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ボディ本体の接合部にそれの受けが出てないのがそもそもおかしいのだ!
さてはここがダメの証拠だね・・早速このフォーシングマウントとレンズマウントを外さねば・・・。

ネットで検索したら、レンズマウントプレートの固定ビスは四隅の貼り革の下に潜んでいると書いてあったので、早速剥いでみた。

イメージ 4
およよ・・マイクロビスがあったわい。

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4隅の貼り革を剥がした図・・・


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ドライバーで緩め慎重に外す・・・

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マウントプレートを外す。この下に極薄のワッシャーが4つあるので無くさぬように注意だす。


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その下にレンズ側の露出の爪が引っかかる爪が付いているリングが見えるので、
それを外すべく、位置決めの押さえプレートの固定ビスを外す。

このリングはコの字型に外側に向かって溝があり、丁度頂点の爪の辺りに細いチェーンが固定されていて、そのままマウント上部の露出計の爪とリンクするスライドする凸パーツに連結されている構造らしい・・・


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その本来あるべきスライドする凸パーツの捜索をするためには、この上面のフォーカシングマットを固定している蓋を外さなくてはならない。それには、この特殊な形状のTTLファインダーを位置決めするポイントビスを外さなくてはならない。
 対角線上にわずかな切れ込みがあるので、マイクロドライバーを引っ掛けて回しこんだらカクッといて緩んだので指で回し・・

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ピンセットでピックアップした。


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蓋を外した。探しものは何処じゃい?


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おお!有った有った!

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本来はこの先にまたチェーンが繋がってい無くてはならない


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溝の中にそれはあった・・・


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切れて千切れたチェーンの欠片が2コマ溝の中のプーリーの滑車付近に残っていた。
そうか・・・この2コマのチェーンが切れて、その反動でコイルが縮み、連結されたスライドする凸パーツのフックから外れてしまって溝の中に埋もれていた訳だ!

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しかし、チェーンの先に付いてたスプリング、良く見ると二つのコイルが絡まってチェーンが連結されている・・・?
これは精密工業製品的な設計としてどうなの?

これチェーンが外れないようにループがお互い逆向けでチェーンに取り付けてあるのかなね・・・で何で長さが違うの? てかそもそもテンション強すぎなんじゃなえーの?

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だから内側に絡んでるスプリングコイルを外したさ・・これ意外に外すの苦労した。

まるで知恵の輪のようで、短気起して無理に引っ張ったら、細い方が伸びたし・・爆
てか何でこういう長さも違うコイルをが絡まって付いてたのかが不思議だ。

まさかバイクのリアスプリングのようにバネレートが違うコイルを同軸に繋いで引っ張っていたのが切れたのか?

でもこの設計の二重のバネレートのテンションが、こんな極細のチェーンの張力と不釣合いだったから、ネットに出ているようなチェーン破断という数多くの事例を生んでしまったんじゃないのか?

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これは真鍮のチェーンではなく、鉄製のチェーンが錆びて茶褐色になっていたのだ。
だが、試しに2コマ少ないチェーンを繋いで・・・



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セットしようと試みて・・・折り返しの滑車の所まで引っ張ったら・・・
いとも簡単に凸パーツとスプリングの間で大してテンションが架かっていないのに
再び破断した。 錆で劣化していたのだ・・・。
ここでチェーン交換を決断して一旦終了。チェーンの調達に走る。


代替えのマイクロチェーンは意外な所にあった・・・。
カミさんの手芸用のストックパーツの中!

これで浅草橋に行かなくても済んださ・・

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錆びたチェーンは何回やっても切れてしまうので、やや太かったが家にあったそのアクセサリー用のチェーンを流用することに・・・


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問題は小さな滑車とリングの溝などのクリアランスに入るかどうか・・?


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やや太いといってもね・・・この太さ・・・
一応、リングの溝や、折り返しの滑車に嵌めて外れないで動作することを確認して
それぞれ元のチェーンと同寸法に切って施工した。


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コレ・・見た目よりかなり困難な作業だったさ・・・
丁度細い縫い針に糸を通す感じかな?

チェーンをセットしたら外れないようにリンク部を曲げて締めるのが大変だった。


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露出連動リングの上の滑車の溝はこんな感じで無事セット終了である。


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さて外れないように蓋を・・・・しかしあの外した先が尖ったファインダーの位置決めを兼ねた特殊ビスの位置が端過ぎて嵌められない・・・

何回やっても転げ落ちるので・・・しばし考えた・・

昔よく使ったボートの模型のスクリューとモーターの軸を繋ぐゴムのジョイントが
有れば良いのに・・・。

んなもんある訳が無い・・・そうだ・・釣りようの仕掛けに使う浮きを差す細いゴム
チューブでも良いな・・・ 。

ワシ釣りやんないし・・。

という訳でいろいろ考え、思い出したものがあった。


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ベリアのオドメーター用に昔作ったリセットハンドル・・!!!

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この閃きのお陰で、無事装着OK 後は外した時のマイクロドライバーを刻みに引っ掛けてトルクを掛けて〆て終了!



マウントを嵌めて4箇所のビス止め。剥がした貼り革を再び貼りつける

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また修理することも有りそうなので、プレゼンボードに使う3Mのスプレーのりの粘着力の強いタイプ#66を使って貼りつけましょうね・・・


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ずれないように慎重に・・



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まぁ こんなもんだね・・・

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無事組み立て終わったペンタ67

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ファインダーをコンデジで接写で撮影・・

ちゃんとTTLメーターがシャッタースピードやレンズの露出リングの操作にリンクして可変動作することを確認した。

やったね・・・!

コレで試し撮りして露出が適正であればOK
露出オーバーなら、チェーン1コマ、2コマ長いものに交換するまでのことさ・・

やったね・・・!!!!!

コレで全国のペンタ67のTTLファインダー露出計動作不良でお悩みの方の
参考になれば良いなと・・・アップずら・・・爆


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