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Channel: MOTO GUZZI な おじさんの趣味とこだわりについて
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ドカマン的蒸気機関車の旅 第3章 米坂線の老兵9600型

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このシリーズ、意外に一部の方に好評なので、調子にのって第三章をUPしようと思う。
 
本当は古い順にUPするのが時代背景の移ろいも判り、その方がいいのだろうけど、資料整理が終わらない内に、インパクト重視で第一弾の冬の函館本線C622からスタートしてしまったので、今さらどうにもならないので、資料が揃った順、つまりアトランダムに行かせて頂きたい。
 
それでは、今日は、僕が丁度浦和の別所小学校を卒業し、白幡中学に入学する狭間の春休みに山形県の米沢と新潟県の坂町を結ぶ、飯豊連峰の裾野を山脈に沿って走る米坂線を走る大正時代誕生した貨物列車牽引型の老兵9600型のSLを撮影した時の旅を写真ともに振り返ってみましょう。
 
前回の九州の撮影旅行が中一の夏だったので、その3ヶ月前の昭和46年4月初旬、僕は米坂線(ヨネサカセン)に向かう計画を練っていた。
 
何故米坂線だったかというと、その3ヶ月、生まれ故郷の盛岡の祖母の家に両親と一緒に正月を過ごしに帰郷した際、花輪線(秋田県:大館~岩手県:好摩)に大正時代生産された旅客列車牽引タイプのSL、8620型を撮影していたので、次は是非同年代の貨物列車牽引タイプの9600と心に決めていたのだ。
 
昭和46年当時、この無骨でずんぐりした老兵9600がみられる路線は、北海道と九州が殆どで、本州では東北の米坂線のみだった。
まぁ8620型(通称ハチロク)も本州では、北東北の花輪線と五能線に限られていたので、要は絶滅危惧種から・・というわけだった。 情報は同じ趣味を持っていたボーイスカウトの友人、宇田川君から詳しく聞いていた。
 
彼の祖父は古くからのSLファンで、彼もその影響を受け祖父のお供で関東近郊の八高線によく撮影に通っていたらしく、そんな彼の一番好きなSLがその9600型(通称キュウロク)だったので、彼に聞くのが手っ取り早かったのだ。
 
でも、彼の情報で決定的に間違っていた情報があった。それは米坂線の読みを「マイサカセン」と呼んでいたこと。(笑)  まぁ、彼にはいろいろ世話になっていたので、彼の名誉のためにも、あえて指摘するような野暮なことは言わなかった。
 
米沢と坂町を結ぶローカル線と言うことは知っていたはずなのに、秀才の彼が何でわざわざそう呼んでいたいたのだろう・・?もしかして、彼の祖父が間違ってそう言っていたのかもしれない。 彼が中大付属の鉄研に入部するころには、ヨネサカセンと言っていた気がする。(笑)
 
プロローグはこれくらいにして・・・・・
 
イメージ 1
 
イメージ 2
小学校卒業したので周遊券は半額はならず、かと言ってまだ中学には入っていないので学割も無く、なんと定価の¥3600の南東北周遊券を買わねばならなかったのは誤算だった。
 
何故か母が急に蒸気機関車が見たい!と言って付いて来ることになった。
 母はいわゆる変人の部類にはいる人で、盛岡に居たころは、地元の山岳会に入っており、幼い僕を祖母に預け、岩手の山々を登っていたらしい。 小学校の友人達の母親達とはだいぶ違ったタイプの母親だったと思う。
 
今振り返れば、一人っ子の息子を一人で東北に出すのが心配だったのだろうか・・・?とも思えるが、その変人ぶりから、その時は、若いころよく見た蒸気機関車をこの目の網膜にしっかり見ておきたいし、早春の飯豊連峰の山々を見てみたいと言っていた言葉を思い出す。 網膜に・・という言葉はかなり強烈に記憶に残っている。まぁ宿泊費を出してくれるというので、快く申し出を受けた。
 
イメージ 3
撮影先の米坂線 羽前沼沢駅にて・・・ このとき母親39歳!
入学祝いに前倒しで父親に買ってもらったSEIKO ファイブ・アクタスが板に付いていない。
 
おそらく夜行の急行津軽か臨時急行鳥海51号か急行 おがの のいずれかだったろう。その辺の記憶はない。
 
早朝の4時半ごろ、まだ陽が遅い真っ暗な米沢駅に着いて、蛍光灯が明るく照らすホームで待ち、一番列車の米坂線の気動車に乗った。 そのディーゼルカーの中で富山の矢放さんという50代くらいのおじさんと、もう一人東京出身の20代位の人と知り合い、その日は一日彼らと行動を共にすることになる。
 
何故矢放のおじさんを今でも覚えているかというと、その旅から帰ってから何年か文通が続いて、手紙が残っているから覚えているのだが、未だにそのおじさんの名前の読み方が判らない。さっき調べたら、ヤハナシというらしい・・(爆)
 
イメージ 16
長井線が分岐する今泉駅に到着すると、乗ってきた車両が長井線(現在は廃線になった)に向かう車両と連結が離れる間、結構ホームに停まっていたので、上り米沢方面に出発する9600の重連の貨物を駅構内で狙った。
 
イメージ 4
79607 米坂線 今泉駅 MINOLTA AL-E ロッコール 40mm F1.8 1/125
 
時間に余裕が無かったので、サブ機の例のMINOLTA で手持ちで撮った。
79607って変なナンバープレートだが・・・もともと大正時代のSLは、イギリスから輸入されたSLを参考にして作られたので、その形式を継承していました。
 
したがって国産でも数字4桁だったが、台数がふえてしまい、元々の4桁の前に百の位の数字を足して苦し紛れの表記方法だった。 当然初号車は9600 2代目が9601 19600は101台目、すると、79606は707台目という事になります。判り難いですねぇ~!昭和の時代に入り、D51とか、C58日本独特の形式で動輪の数を形式名にした呼び方になったのだ。
 
 
イメージ 5
米坂線 49681 手ノ子~羽前沼沢 PENTAX スパータクマー135mm F5.6 1/250
 
やがて米坂線の有名な急な登坂区間が続く手ノ子~羽前沼沢で撮影をするため、手ノ子駅で降り、皆で羽前沼沢方面にカメラバックを三脚を担ぎ、2kmほど歩くと、最初の貨物が手ノ子駅方面から25/1000(25パーミル)という急勾配を力強いドラフトを響かせ結構な速度で登って来た。
 
イメージ 6
この様に煙があまり上に上がってない写真があるが、これ速度が速いことを現している。 拡大するとナンバープレートが縦にやや広いものが着いている。
これは、形式名が下に小さな字で書かれている旧式の貴重なプレートですね・・・。
 
イメージ 7
米坂線 79606 手ノ子~羽前沼沢 PENTAX スパータクマー55mm F8 1/125
 
更に枕木の上を何キロか歩き、雪の飯豊連峰をバックに、急勾配の下りを絶気運転(蒸気をピストンに注入しないでバルブ開放)で軽快に走り降りてくる客車。煙は無いが、藁葺屋根の民家と好対照な動きがある写真が撮れた。
 
この民家今でも在るのだろうか・・・?
 
イメージ 8
米坂線 9600 手ノ子~羽前沼沢 PENTAX スパータクマー55mm F8 1/125
 
頑張って沿線の里山を膝まで雪に入って山登りをして10時頃の逆光の中をゆっくり走る9600俯瞰で狙う。編成が短いので後補機は付いていない。 実はその時、聞きなれない俯瞰という言葉を初めて知った。
大人になった気がした。 
 
雪の中、母親は昔取った杵柄で俄然入りきって雪を物ともせずガンガン登っていた。そして山の上から腕を組んで走り去るキュウロクを観て、アッパレ!と叫んでいた。 やっぱり変な母親である。
 
イメージ 9
59661 米坂線 手ノ子駅 MINOLTA AL-E ロッコール 40mm F1.8 1/125
ここで手ノ子駅に一旦戻り、構内で上り列車の出発を撮影。
 
ここで余興です。
 
上の写真はすっかり変色してしまったカラーのDPE(同時プリント)のサービス版だが、フォトショップの色彩調整で色を復活させた画像だが、デジタル調整ついでに面白いことをやってみた。
 
フィルムメーカーによってかなり発色にキャラがあり、現像すると、その違いが出て面白いとう例である。
 
イメージ 10
小西六サクラカラー・・・・は何を撮っても、こんな感じに仕上がる。
肌色に自信あり~~!のCMで有名だが、
要は色相が赤みが強いのだ! 当然肌色は綺麗にでる。
何時撮っても夕方みたいに撮れてしまう。
 
イメージ 11
フジカラー ・・・このメーカーは緑系に振れる。夏は結構緑が映えていい感じに仕上がるが、冬は寒々しい。
 
イメージ 12
コダカラー ゴールド  名前の通りやや黄色味に振れるが一番バランスが良い。
 
でも日本の蒸気機関車は、やっぱり写真はモノクロがいいよね!
 
午後はまたディーゼルカーに乗って隣りの駅の羽前沼沢に移動し、今度は手ノ子方面に行ったり この線の峠がある伊左領方面に歩いたりして、良い撮影ポイントを探した。
 
 
イメージ 13
米坂線 49649 羽前沼沢~手ノ子 PENTAX スパータクマー135mm F5.6 1/250
 
 
この頃なると親父から卒業祝いに使うことが許されたPNTAX S3と望遠135mmの使い方やシャッターを押すたタイミングにもだいぶ慣れ、待てずに早めにシャッターを押してしまうことも少なくなっていたような気がする。
 
一緒に行動をともにしていた矢放のおじさんのお陰で、構図の撮り方や交換レンズの選択など、いろいろ教えていただき、とてもためになった。
 
 
イメージ 14
米坂線 79606 手ノ子~羽前沼沢 PENTAX スパータクマー55mm F8 1/125
 
朝、撮った79606が米沢から引き返して戻ってきたのだ!
しかも混合列車!(貨物と客車の混送)
 
 
 
イメージ 15
米坂線 69633 羽前沼沢~手ノ子 PENTAX スパータクマー135mm F5.6 1/2
 
デフレクターのブリッジの上に付いている四角い枠はトンネルの氷柱割る装置だ。
 
ふあぁ~~~・・・・ (あくび)
 
ここで睡魔が襲ってきたので、この後は
明日追記します。
ダメだ眠い・・・。
 
 

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